【ハバナ観光】文学と海が交わる場所へ|ヘミングウェイが愛した漁村コヒマル

文化と歴史

ハバナ旧市街から車を走らせること約30分。太陽の光を浴びてキラキラと輝く海沿いに、小さな漁村コヒマルは静かに佇んでいます。

ここは、作家アーネスト・ヘミングウェイが最も愛した場所の一つであり、彼の最高傑作『老人と海』の舞台となった場所。一見、穏やかな港町ですが、その歴史は世界文学史に深く刻まれています。


『老人と海』に隠された、漁師との深い友情

ヘミングウェイは、ハバナ郊外にある自宅「フィンカ・ビヒア」から愛艇「ピラール号」に乗って、コヒマルの港を拠点に頻繁にカジキマグロなどの大物釣りに出ていました。彼はここで、漁師たちとラム酒を酌み交わし、釣りの話に花を咲かせる日々を送ります。

特に親しくしていたのが、長年ピラール号の船長を務めたグレゴリオ・フエンテスという男でした。彼らの友情は深く、ヘミングウェイはフエンテスや地元の漁師たちをモデルにして、不屈の精神を持つ老漁師サンチャゴの物語を書き上げたと言われています。

この作品は1953年にピューリッツァー賞、そして1954年にはヘミングウェイにノーベル文学賞をもたらしました。


コヒマル観光のハイライト:漁師が作ったヘミングウェイの胸像

コヒマルの港を訪れたなら、ぜひ見てほしいのが、海を見つめるヘミングウェイの胸像です。これは彼の死後、彼を慕う地元の漁師たちが、自分たちの漁船の古い錨やプロペラを溶かして作ったもの。

金銭を求めず、自らの手で敬意を表した漁師たちの心意気は、ヘミングウェイがこの町でどれほど愛されていたかを物語っています。この感動的なエピソードを知って胸像を眺めると、また違った感情が湧き上がってくるはずです。

小さな港には色鮮やかな漁船が並び、どこを切り取っても絵になります。村の広場や教会をのんびり散策するのもおすすめですよ。


海を眺めて食事を:ヘミングウェイの定位置

コヒマルの海沿いに建つレストラン「ラ・テラサ(La Terraza)」は、ヘミングウェイが常連だったことで知られています。窓から広がる美しい海を眺めながら、彼が座ったと言われる席でシーフードやカクテルを楽しめます。

もちろん、地元の人々が集う小さな食堂(パラダール)で、新鮮な魚料理やキューバ名物のランゴスタ(伊勢海老)を味わうのも最高の経験です。
実際には、地元の人がたくさんいるパラダールの方が、美味しいし安いですのでそちらで食べる方がおすすめではありますが・・。
でも、「ラ・テラサ」も、もちろんながら美味しいし何よりヘミングウェイが座っていたかもしれないっていうところがいいですよね。ファンにはたまらんかもです。


ハバナからのアクセスと旅のアドバイス

コヒマルへは、ハバナ旧市街からタクシーで行くのが最も一般的です。所要時間は30分ほどで、片道ではなく往復で交渉するのがおすすめ。だいたい30~40USドル(約4,500~6,000円)が目安ですが、ドライバーとしっかり価格をすり合わせましょう。

小さな漁村なので、半日ほどの観光で十分に楽しめます。午前中は観光客でにぎわいますが、午後になると落ち着いて、よりのんびりとした雰囲気を味わうことができます。


ヘミングウェイゆかりの地を巡る旅は、まだまだ続きます。

コヒマルまで足を延ばせば、ハバナとはまた違う、本物のキューバの海の生活と文学の深さに触れることができるでしょう。

この記事が、あなたのキューバ旅行の計画に役立つことを願っています。
ヘミングウェイゆかりの地をまとめた記事はこちら→【ハバナ観光】ヘミングウェイゆかりの地をめぐる旅|キューバ文学と酒場の物語

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