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こんにちは、べんすけです!
あなたも「キューバの文学」と聞いて、真っ先に思い浮かぶのはヘミングウェイの『老人と海』でしょう。確かに、ハバナのコヒマル漁村を訪ねれば、彼の足跡を辿るロマンがあります。
しかし、キューバという島が持つ本当の情熱、孤独、そして魔法のような空気感を知るには、地元キューバ人作家が描いた物語に触れるのが一番の近道です。
今回は、旅行者が「これだけは読んでから行ってほしい」と断言できる、キューバを知るための重要作を3冊厳選しました。これらのページをめくれば、ハバナの街角で見かける何気ない光景が、驚くほど深い意味を持って迫ってくるはずです。
1. アレホ・カルペンティエール『この世の王国』
〜「魔術的リアリズム」の聖地へ〜
キューバ文学、ひいてはラテンアメリカ文学を語る上で避けて通れないのが、フランス人建築家とっキューバ人の母の間に生まれたアレホ・カルペンティエールです。
- どんな物語か: 18世紀末、隣国ハイチで起きた「ハイチ革命」を舞台にしたフィクション小説で、支配者であるフランス人と、土着の信仰(ブードゥー教)を武器に立ち上がる奴隷たちの闘争を描いています。
- ここが読みどころ: 「魔術的リアリズム」という言葉をご存知でしょうか。現実に起きている過酷な状況の中に、精霊や魔法のような要素が当たり前のように溶け込んでいる手法です。カルペンティエールは、キューバを含むこの地域に流れる「理屈では説明できない生命力」をこの一冊に凝縮しました。
- 旅にどう役立つ?: ハバナの旧市街を歩いていると、崩れかけた壁や生い茂る熱帯の植物に、何か不思議な力が宿っているような感覚に陥ることがあります。この本を読んでおくと、その「正体」が歴史と信仰に裏打ちされたものであることが理解でき、街歩きがより神秘的な体験に変わります。

ハイチ革命から、それを逃れた人達がキューバに流れ込んできたという現実の歴史があります。
それが現在のキューバ社会構造や多様性を許容する文化になって行っていると思います。
今の陽気なキューバ人の感じや色々な音楽の融合とか、また別の感じで言うと旧市街のあの建物の雰囲気とかを思い出させてくれる小説です。
ぜひ、キューバに旅行する前に呼んで欲しいなと感じます。
2. レオナルド・パドゥーラ『犬を愛した男』
〜現代キューバの深層に触れるミステリー〜
現在、存命の作家の中で最も世界的に評価されているキューバ人がレオナルド・パドゥーラです。
- どんな物語か: かつてソ連を追われ、メキシコで暗殺された革命家トロツキー。その暗殺犯と、現代(1970年代〜2000年代)のハバナで苦悩しながら生きる作家。二人の人生が、一匹の犬をきっかけに交錯していく壮大な歴史ミステリーです。
- ここが読みどころ: 単なる犯人探しではありません。かつて「社会主義」という大きな理想を追い求めたキューバの人々が、ソ連崩壊後の激動(スペシャル・ピリオド)をどう生き抜き、何を失い、何を信じてきたのか。その「本音」が血の通った言葉で綴られています。
- 旅にどう役立つ?: 旅行者が目にするキューバは、陽気な音楽と笑顔に溢れています。しかし、その裏側には語り尽くせない歴史の重みがあります。この本は、現地の人々と交流する際、彼らの瞳の奥にある誇りと哀しみを理解するための「心の眼鏡」になってくれます。

本の値段も高くて、ちょっと手を出すのに臆病になってしまう僕がいましたが、読んでみるとフィクション小説でありながらも実在を感じさせるような感じでした。
恐いというか、ドキドキというか誰がどうなっていくのかという不安がないまぜになって最後まで面白いと感じました。
読んだ後に、キューバ人の根底にどんな想いがあるのかを深く考えさせられています。
あなたにも、キューバ旅行に行く前に読んでもらえるとありがたいです。
3. ウェンディ・ゲラ『みんな去っていく』
〜島に残された者の、切なくも美しい叫び〜
現代のキューバを代表する女性作家、ウェンディ・ゲラ。彼女の作品は、より個人的で、現代的な視点を与えてくれます。
- どんな物語か: キューバに生まれた少女、ニエベの日記形式で進む物語。成長するにつれ、親しい友人も、愛した人も、皆が自由を求めて海を渡り、島から去っていきます。「なぜ自分はここに残るのか」という問いを抱えながら、彼女はハバナの街で自らのアイデンティティを探し求めます。
- ここが読みどころ: 「島国」という閉ざされた環境が生む、特有の閉塞感と美しさ。そして、去りゆく者への思慕。これは、今のキューバ人たちが多かれ少なかれ抱えている感情そのものです。
- 旅にどう役立つ?: ハバナの海岸沿い、マレコン通り(防波堤)には、夕暮れ時に多くの人々が集まり海を見つめています。この本を読んでからその光景を見ると、彼らが単に涼んでいるだけでなく、海の向こう側にある「何か」に思いを馳せていることが痛いほど伝わってきます。
この作品、実は一番読んでもらいたい作品でありながら、非常に残念ながら日本語翻訳版がありません。
でも、タイトルだけでもわかる通り亡命でキューバを出て行くのに、残る主人公。
その心の葛藤やその逆の陽気に生きようとする姿がキューバそのものの姿だと感じられます。
これ、妻の感想(笑)僕はスペイン語できないけど、妻はペラペラです。
もし、あなたがスペイン語を話せるなら一番読んでもらいたいなと思える作品です。
4. 教養として知っておきたいヘミングウェイの「影」
もちろん、ヘミングウェイを無視することはできません。しかし、彼を「キューバを愛したアメリカ人」という一面だけで見るのは不十分です。
ハバナの『アンボス・ムンドス・ホテル』に滞在し、『誰がために鐘は鳴る』を書き上げた彼が、なぜキューバの漁師を主人公に据えたのか。それは、彼がこの島に「戦い続ける者の尊厳」を見出したからです。
キューバ人作家たちの作品を読んだ後に、改めて『老人と海』を読み返してみてください。すると、物語の背景にあるキューバの海が、より厳しく、より美しく感じられるはずです。

やっぱり、キューバと言えばヘミングウェイの「老人と海」ですよね。
これだけは読んでキューバに行ってもらいたいなと。
ヘミングウェイがなぜキューバを愛していたのかを感じられる??まで行かないかな。
でも、彼の足跡を感じるために先に読んでコヒマルなどの観光地やダイキリ、モヒートと言ったカクテルを楽しむといいんじゃないかなと。その場にいるような気持ちで読んでいただければと思います。
まとめ:文字から立ち上がる、本当のキューバ
ガイドブックに載っているのは、キューバの「形」だけです。 しかし、今回ご紹介した3冊の小説の中に描かれているのは、キューバの「魂」です。
歴史のうねり、政治の翻弄、そして島に生きる人々の情熱。 出発前の機内や、ハバナの木陰のベンチでこれらの本を開いてみてください。文字から立ち上がるハバナの香りが、あなたの旅を生涯忘れられないものにしてくれるでしょう。

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